ネットオフを守ろう。
Netservice.link 5兆円
糸をなんとかしろ!
6G1000円
第5章:壊滅の縁
戦火の中で
翌日、午前5時、新潟防衛ライン
夜通し続いた戦闘を終えた第12部隊は、早朝に新潟防衛ラインへと移動していた。横浜での激闘から一夜明けたが、兵士たちの疲労は隠しきれない。それでも、彼らは戦わなければならなかった。
「敵の進行ルートを予測した結果、新潟が次の攻撃目標と確認された。全防衛部隊、準備を整えよ。」
EDF司令部からの冷静な指示が通信機から流れる。
タカシは補給を受けながら、ボロボロになったアサルトライフルを握りしめた。
「いつになったら終わるんだ……」
隣でナナミがジェットパックを調整しながら答える。
「終わらないわ。私たちが戦い続ける限り、地球は持ちこたえる。でも、それだけ。」
「それだけって……?」
タカシの質問に、ナナミは一瞬黙った。
そこに隊長のカイトが歩み寄る。
「考えるな、タカシ。ただ前を見るんだ。この戦いが終われば、次がある。それがEDFだ。」
迫り来る影
部隊が準備を整える間に、遠方の山脈を越えて新たな敵が迫ってきた。侵略生物「デストロイヤー・タンク」。それは巨大な甲殻類のような姿をしており、脚部には砲台が取り付けられ、遠距離から砲撃を繰り出す恐るべき兵器だった。
「これはまずいぞ……。奴ら、遠距離戦ができる。」
カイトは双眼鏡を覗きながら冷静に分析した。
「対大型兵器はまだ準備中だ!」
通信機から本部の焦った声が聞こえる。
「つまり、時間を稼げってことだな。」
ハルのいない穴を埋めるように、カイトが自ら前線へと向かう決断を下す。
戦場の混乱
敵の砲撃が始まる。無数の砲弾が空を裂き、爆発の嵐が防衛ラインを飲み込んでいく。
「伏せろ!全員、バリケードの後ろだ!」
カイトの指示で兵士たちは遮蔽物に隠れるが、それも次々と砕かれていく。
「隊長、これじゃ持たない!」
ナナミが空中から降りてきて叫ぶ。
「ならば、近距離戦に持ち込む!レンジャー班、敵の脚部に回り込め!」
タカシは必死に走りながら、巨大なデストロイヤー・タンクの脚部に迫る。近づくほどにその威圧感は増し、足元に転がる同僚たちの姿が恐怖を倍増させる。
犠牲の上で
タカシが攻撃を仕掛ける寸前、脚部が突如として動き出し、彼を襲った。
「やばい!」
間一髪、ナナミが空中から攻撃を加え、彼を救う。
「タカシ、立て!まだ死ぬんじゃない!」
ナナミの叫びに、タカシは震える手でアサルトライフルを構え直した。
一方で、カイトは戦場の状況を冷静に見極めていた。
「ナナミ、敵の脚部を動かなくするんだ。俺たちは動力部を叩く!」
ナナミが必死に攻撃を続ける中、カイトたちはデストロイヤー・タンクの中央部へ向けて突撃を開始する。砲撃の合間を縫い、敵の巨体の隙間に滑り込むように動く。
「タカシ、撃て!」
カイトの指示に応じて、タカシは渾身の力で引き金を引いた。弾丸が動力部に命中し、デストロイヤー・タンクが激しく揺れる。
EDFの反撃
その瞬間、EDF司令部からの通信が入る。
「こちら司令部。対大型兵器『インパクトキャノン』が現場に到着した。発射準備を開始する!」
「全員、敵から離れろ!」
カイトの声が響くと同時に、部隊は全力で後退を開始する。
「発射準備完了!」
司令部の声とともに、巨大なインパクトキャノンが火を吹き、砲弾がデストロイヤー・タンクの動力部を粉砕した。轟音とともに敵の巨体が崩れ落ち、戦場は一瞬、静寂に包まれた。
終わらない恐怖
勝利の歓声を上げる兵士たち。しかし、カイトの表情は険しいままだった。
「隊長、勝ったんですよ!やりました!」
タカシが叫ぶが、カイトは無線機に耳を当てたまま黙っている。
「新たな敵が確認された。」
司令部の冷たい声が響く。
「次の目標は……東京湾だ。」
タカシは目を見開き、膝をついた。
「またかよ……終わらないのか……?」
ナナミが彼の肩に手を置き、静かに言った。
「終わらない。でも、だから戦う。」
カイトは全員を見渡し、力強く言った。
「EDF第12部隊、再編し次の戦場へ向かう。俺たちがやるんだ。生き延びて、地球を守る。」
新たな戦場へ
太陽が昇る中、第12部隊は新たな戦場へと進軍していく。その背中には、仲間たちの犠牲と地球を守る使命が刻まれていた。
彼らの戦いは、まだ始まったばかりだった。
(続く……)